・盤質：S、その他状態： スウェーデン テクニカル・メタル’00年 1st 輸入盤


LION MUSIC首領にしてテクニカル・マルチ・プレイヤーでもある、ラーズ・エリック・マットソンによる数あるプロジェクトのうちの一つ。


Tr.1の冒頭から物々しいストリングスの不穏なフレーズと変拍子から始まる10分程度の長尺曲でワクワクさせてくれます。続くTr.2も10分、他にも9分弱が1曲、8分半が1曲、7分半が1曲と長尺な曲が多めなのが特徴。Tr.1、2の2曲だけでも濃厚な演奏で相当な聴き応えがあります。


基本的にはミステリアスなフレーズと叙情的なフレーズを織り交ぜ、変拍子に乗せるテクニカル・メタルですが、やはり通常のテクニカル・メタルと比較すると変わったメロディやフレーズが多い個性的な作品。ヴォーカルは男性、女性の2本立て。割とヘンリック・ブロックマンを思わせるような声質の男性と、ソウルフルでハスキーな女性ヴォーカルが主体です。


ラーズ・エリック・マットソン自身のいつも通りのメロディアスかつ丁寧なギター・ソロの魅力はもちろん、プロジェクト・メンバーとして参加のアレックス・マシや、デレク・シェリニアン(Tr.3と8のソロ)らゲスト勢のソロも魅力的です。女性ヴォーカルがヴァイオリンを兼任しているのもポイント。サックスがゲスト参加した曲もあります。


キーボードの音も多彩で実に聴き応えは抜群。Tr.2の出だしやTr.6など要所で主張を強めるベースも聴きどころ。多彩に展開していくインストTr.4や6ではより各楽器のテクニカルな演奏が満喫できますし、同じく5分のTr.5は他よりもキャッチーで聴きやすい歌メロとパーカッシヴなリズムが聴きどころ。


実際のところそんなにメタルメタルした作品では無いので、どちらかというとプログレッシヴ・メタル寄りなプログレッシヴ・ロックといった感じですが(でも普通にプログレというには十分ハード)、テクニカルなものが好きであれば一度聴いてみてほしい作品。


なお、次作では曲が長くても5分強程度とコンパクトになり、路線もネオクラシカル・メタル的な感じになっているので、この作品が気に入ったからといって必ずしも2ndもオススメというわけではないです。逆に、2ndが気に入らなくてもこっちはほぼ別物なので、こちらは気に入る可能性ありとも言えます。【▲、テクニカル/プログレッシヴ・スウェーデン】