・盤質：S、その他状態： イタリア テクニカル・メタル’08年 1st 輸入盤


イタリアの女性ヴォーカル・メタル・バンドの’08年1st。


ゴシック・メタル寄りな艶のある囁くような歌唱に、パワフルで伸びのあるハイトーンまで幅広く歌える実力派の女性ヴォーカルがまず魅力。そしてこのバンドの最大の魅力は楽器隊のプレイで、しょっぱなから粒立ちの良い見事な速弾きフレーズが聴けます。とにかく驚くのがソロ・パートのカッコよさで、そのテクニカルさたるやあのSHADOW GALLERYをも思わせるほど！ギター、キーボードが高速ユニゾンする様はまさにSHADOW GALLERY級です。ギターとキーボードがユニゾンしている下で独特なラインを奏でるベースも見事。


しかもフレージングのセンスもあり、エフェクターを使ったトリッキーなプレイに、フル・ピッキングからスウィープへの流れなども完璧と言える内容。音の粒立ちの良さも驚異的です。全体的なサウンドは全く趣が異なりますが、ソロがいちいちカッコいいSHADOW GALLERYみたいなバンドが好きな方にはぜひとも聴いてみて欲しい作品。歌メロも充実していて、叙情的なメロディとヴォーカルを押し出した曲もあれば、テクニカル・パートで攻めまくる曲もあり、そのメリハリがまた見事。しかしながら、エレクトロ的な要素も割と強くあり、部分的にギターやドラムの音が軽めでメタル色が薄いところもあるので、そこは好みが分かれるでしょう。


全8曲で、ほとんどの曲が7分前後と特別長くはないですが、曲間無く繋がっていてコンセプチュアルなものを感じさせる作品でもあります。テクニカルでありながらもプログレッシヴな要素も強い傑作。キャッチーなサビメロを持ちつつ、テクニカルなソロも満載されたTr.3は名曲。テクニカルかつ個性的な音でありつつも、メロディアスで聴きやすくもあり、コレは是非とも多くの方に聴いていただきたいと思う名盤です。前述の通り、リフやリズムにヘヴィさハードさが若干足りないところがあるのでそこだけ注意です。

【▲、テクニカル/プログレッシヴ、オススメ：テクニカル/プログレッシヴ・イタリア】