・盤質：B、その他状態：CD-R ニュージーランド 個性派ブラック'07年 1st 輸入盤


ニュージーランドの個性派ブラック・メタル・バンドの'07年1st。


相変わらず以前のEPでも聴けたような打ち込みサウンドを最大限に利用した独自のブラック・メタルを披露していますが、打ち込みがあるなぁというくらいで印象が今一つだったEPと比較すると、バンド演奏そのものが前面に出されたパートも増え、展開もより練られたものになっています。打ち込みでインダストリアル/エレクトロ・ゴシック風な雰囲気を醸し出しておいて、途中でブラスト疾走ブラックへと展開する曲もあるなど、そのセンスはEPの時よりも随分と磨かれた印象。


Tr.1は以前のEPでも聴けたような、ブラック・メタル的な邪悪な雰囲気のリフと、テクノ的な打ち込みリズムを融合させたナンバーで、むしろエレクトロ・ゴシック/インダストリアル・ゴシック寄り。Tr.2は疾走感のあるブラック・メタル・ナンバーですが、このバンドはヴォーカルが気怠そうな地声での叫びであるところが特徴。ブラック・メタルといえば掠れ声絶叫でしょ！という方はそこからして合わないかも。


Tr.3もミドル・テンポの曲を気怠いヴォーカルが歌うナンバーですが、リフの不穏さや雰囲気は面白いほどブラック・メタルのソレ。デス声を使わずにここまでブラック・メタルな雰囲気を出すのはなかなか凄いです。後半では気怠い女性ヴォーカルが出てきてゴシック・メタル的な雰囲気を醸し出すという展開も見事。


「実験的である」という程度に留まっていたEP時代から、真に個性派のブラック・メタルへと飛躍的成長を遂げた1stフル。EPの方は打ち込みが多くてインダストリアル系が好きな方以外にはあまりオススメできない内容ですが、こちらは幅広く個性派のブラック・メタルが好きな方にオススメしたい内容。「ヴォーカルはデス声じゃなくてはダメだ！…というわけでも無いよ」という方はぜひ聴いてみてください。

【▲、ブラック・メタル・ニュージーランド】